●酸性雨

●すっぱい雨がふってくる

なぜ、すっぱい雨がふるの?
雨は、わたしたちにとっても植物にとっても、いのちを守るのになくてはならない、天からのおくりものです。この大事なおくりものが、少しずつすっぱくなってきました。  このすっぱい雨というのは、pH(ピーエイチ)が5.6以下の「酸性雨」のことをいいます。

 酸性雨がふる原因は、ふたつあります。ひとつは、火山噴火が亜硫酸ガスを噴出するため。もうひとつは、工場や自動車から、大量の硫黄酸化物や窒素酸化物が、毎日大気中にすてられているためです。

 これらのガスは、上空の風にのって、2000km以上も遠くにまで運ばれ、そのあいだに雲をつくる「核」になったり、雨つぶにとりこまれたりして、酸性雨がつくられます。

●酸性雨の被害

 アメリカの工業地帯からまい上がったガスが、カナダに酸性雨をふらせたり、西ヨーロッパの工業地帯からまい上がったガスが、北ヨーロッパに酸性雨をふらせたりして、被害が出ています。
 魚のすめない湖、かれてゆく森林、こわれてゆく歴史的建造物など、とりかえしのつかないことがおきています。
 日本でも、公園の彫刻、町のコンクリート、スギやブナなどに、酸性雨の被害が出はじめてきました。

君たちのまちに、彫刻の酸性雨のあと、コンクリートつつら、森の被害など、酸性雨の被害があるかな?

ロダンの彫刻に見られる酸性雨のあと

日本の森にひろがる被害



 

コンクリートのつらら

●ことばの解説 pH(ピーエイチ)

引用文献
みんなで考える地球環境シリーズ4・天気がおかしい/金の星社(2000年)
地球環境とわたしたちの生活・酸性雨をふせごう/ほるぷ出版(1998年)