海の魚が食べれなくなる!?
 魚をとって食べるにはきれいな海が必要です。私たちはいつでも魚を食べることができます。大陸や島の沿岸(えんがん)には栄養分(えいようぶん)が多いため、魚のエサである植物プランクトンがたくさんいて、卵を産む場所になる海藻(かいそう)も沿岸の海底にたくさん生えています。だから、沿岸には魚がたくさんいて、島国(しまぐに)である日本の周辺海域(しゅうへんかいいき)は豊かな漁場(ぎょじょう)となっておいしい魚が食べれるのです。

漁場が危ない!
 さて、栄養はどこからくるのでしょう?栄養のもとは、川の上流に広がる森林の落ち葉や、落ち葉を食べるミミズなどの小さな動物たちのフンです。そして、この落ち葉やフンをバクテリアなどの細菌(さいきん)が栄養にかえてくれて、それが川に流されて海にくるのです。
しかし、今、森林が少なくなってきているため、川に流されてくる栄養もへってきています。また木が少ないと雨で山の土が川に流されやすくなり、茶色くにごった水が海に流れてきます。
 海水が土でにごると直物プランクトンや海藻が育ちにくくなり、また魚のえらにも土砂がつまり魚が呼吸できなくなることもあります。
 そのほかにも汚れた水を流して海を汚したり、埋め立てや人工島をつくったりすることで魚の子どもが育つ「藻場(もば)」や、水をきれいにする「ひがた」がへってきていることも問題です。

環境を守るために −私たちにもできることはある!−
 実際によごれた水を見て何も思わない人はいませんよね。汚染(おせん)を防ぐために大切なことは私たちひとりひとりが関心を高めることです。

 このページを見ているみんなは自然を守りたいという気持ちが強いはずです。「私だけが自然を守ろうとしても意味ないんじゃないかな」と思うかもしれませんが、みんながこういう考え方をもってしまったら大変です。

みんなが「水をよごさないようにしよう」と思えば水はきれいになるのです。本当に怖いのは汚染ではなく、汚染をなんとも思わない人の心なのです。
 また、各地で水辺(みずべ)の清掃活動(せいそうかつどう)、水質や生物の調査が行われています。
機会があったらぜひ参加してみてください。実際に参加することによって関心が高まっていくはずです!

参考文献:海と人間 PHP研究所 1998年9月28日