| ■大学における様々な環境教育の取組み | ||||||
| 四日市大学 環境情報学部 朝日幸代 |
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| 1.環境に対する考え方 環境に対する人々の考え方は、各々の地域の歴史、文化、風土、自然環境により異なり、環境と人々の生活との関わりそして経験によって環境への捉え方が大きく異なっている。例えば、四日市では、四日市地域の公害による経験からコンビナート建設の立地について住宅環境とコンビナートを分離する政策を行うようになった。また、企業や政府、地方自治体によって汚染物質をくい止める政策が行われた。一方、中国の天津市では住宅と火力発電所が極めて接近したエリアに存在している他、汚染物質の排出抑制に対して今後積極的に取り組む必要がある。これらの違いは、四日市地域の人々は人間生活にとっていかに環境が大切なものであるかを教訓として知っており、それが都市政策にも活かされているからである。人間生活と環境との関わりを認識すること、1人1人の考えが民主的な社会の中で活かされることが環境を大切にすることに大きく関ってくる。 2.四日市大学環境情報学部における環境教育 生活の基盤となる経済活動が持続的に発展するためには、資源を大切にし、自然環境を保全していかなければならない。経済活動そのものの見直しも必要になる。経済活動の中に環境保全の役割を取り入れることを内部化といい、経済メカニズムにより環境に配慮した活動が行われるように取り組まれている。また、環境そのものの状態を正しく認識すること、保全する方法を見出す学問として自然科学が大きな役割を果たす。また、人文科学、社会科学も人間としてバックグラウンドを形成している学問として、法律、政治、経済も重要になる。つまり、環境を学ぶことは様々な学問が必要になるわけである。四日市大学環境情報学部では、様々な学問を学生が学ぶ中で環境を考える、そして環境の重要性を認識し、これからの社会をよりよくするための人材育成を行っている。学問をベースにした環境に関する知識と環境保全の取り組みをしている企業の視察、見学等を積極的に行って、様々な方向から環境を考えるように構成している。国内企業の視察や見学も日本の環境取り組みの実態を知る上で有益なものであるが、他国の取り組みは考える視点さえも見直す機会を与えてくれるものである。ここでは、実際にゼミで視察したフライブルグと四日市大学で毎年行っているオーストラリアの環境スクールの2つを事例に紹介する。 3.環境首都フライブルグ市の環境政策 ドイツのフライブルグは環境首都として世界で最も有名な都市であり 、環境取り組みの進んだ地域である。人口は20万人、学生や研究者も数多く在住する文化都市である。実際、自転車利用の促進、パークアンドライド、路面電車の利用として交通政策を行っている。促進するためのインフラ整備や利用者が望む制度を提供している。ゴミの分別、徹底した回収、グリューネプンクトなどの消費者と事業者、処理事業者が一体になって省資源化への方策が考えられている。エネルギー利用についてもごみの埋めた地からメタンガスを取り出して熱・水供給に利用し、自然エネルギーの積極的な活用、環境に配慮してエネルギーを供給している。さらに、より環境意識の高い人材を育成するためにNPOが運営するエコステーションが作られている。エネルギー利用やリサイクルについての教育が児童生徒をはじめとして積極的に行われている。
4.オーストラリアクイーンズランド大学環境スクール この環境スクールは、学生がオーストラリアクイーンズランド州ブリスベンとケアンズに滞在してオーストラリアの自然環境に触れ、そしてこの国の人々の環境に対する意識を知る機会を持つものである。そしてオーストラリアクイーンズランド大学内外の研究者から環境研究の考え方や方法論を学ぶ内容で構成されている。 第1週の研修ではR.Pagan博士とP.Anderson博士によるCleaner Productionの講義と工場見学が行われた。Cleaner Productionはエネルギーと資源を節約し、経済活動におけるすべての環境に配慮しながら、経済的利益の効果をあげる方法を検討することである。実際に工場見学する中で学生自身が独自にCleaner Productionを考えるようにというテーマが与えられ、めっき塗装工場、食品工場、ビール工場、ワイン製造工場などを見学した。そして、最終日にCleaner Productionの具体的取り組みを話し合った。
第2週めの研修はブリスベン川やモートン湾、マングローブにおいて、自然科学、人文科学の研究者がそれぞれの専門について講義を行った。ブリスベン川の歴史、流体力学のモデル、混濁の計測に関する講義が行われた。ゴールドコーストのマングローブの観察やカメ、ジュゴン、イルカ、鯨についての生態についての講義、モートン湾の魚の種類と生態について講義を行われた。生きたマッドクラブなどの海洋生物の標本を用いた講義も行われた。 ![]() 第3週の研修はケアンズに移動し、Curtain Fig Treeなどの森林や熱帯雨林を観察した。また、熱帯雨林のそれぞれの木、生物に関して詳細な解説がなされる講義が熱帯雨林の中を散策しながら行われた。砂糖工場や風力発電施設では、各担当者より詳細な説明がなされた。この環境スクールセミナーは以下の特徴を持っている。オーストラリアにおける自然環境の状況を知るだけでなく、現在に至っている歴史、保全の状況、企業による環境保全活動の取り組みなども含め、環境を取り巻く数多くの分野の研究者による解説や講義、数多くの見学が設定されている。 つまり、環境に関する数多くのトピックスに対する知識による学習と体験学習が全プログラムの中に組み入れられている。そのため学生の環境への理解度は高まり、学生の学ぶモチベーションを高めるプログラムになっている。クイーンズランド大学における学部および大学院レベルの講義が提供されていることから、学生は海外の大学で学ぶ機会を限られた日程ではあるが、基礎学問の領域を越えた応用的な学問、研究者レベルのプレゼンテーションを得られている。 オーストラリアでの観光には生態系を学ぶことができるような学習が取り入れられている。たとえば、シュノーケリングではさんご礁やさんご礁で生息する魚について、そしてホエールズウオッチングでは鯨について解説するガイドが案内をしてくれる。遊びかつ学ぶということが観光の中に定着し、旅行者に知的な楽しみを提供している。 |