三重県環境学習情報センター

センターからのお知らせ

2025.11.05お知らせ

令和7年度「三重県地球温暖化防止啓発ポスターコンクール」の審査結果を発表します

身近な視点から地球温暖化防止に向けてメッセージを発信し、より多くの方に関心を高めていただくことを目的として、県内の小・中学生のみなさんを対象にポスターコンクールを実施したところ、小学校47校273人、中学校28校404人、合計75校から677人の応募がありました。
ご応募いただいたみなさま、ありがとうございます。
応募作品は、三重県立美術館の学芸員を審査員として招き、厳正に審査しました。その結果、入賞作品16点が決定しました。

<小学生の部> ※敬称略
最優秀賞(1点)

東員町立笹尾西小学校3年生
石井 文乃(いしい ふみの)

優秀賞(2点)

松阪市立第三小学校4年生
山本 來輝(やまもと らいき)

名張市立桔梗が丘小学校2年生
中野 未悠(なかの みゆ)

佳作(5点)

名張市立桔梗が丘小学校3年生
森本 里帆(もりもと りほ)

四日市市立富洲原小学校6年生
水谷 虹心(みずたに にこ)

伊賀市立上野東小学校6年生
高島 朱璃(たかしま じゅり)

四日市市立川島小学校5年生
小林 大輝(こばやし だいき)

鈴鹿市立深伊沢小学校3年生
澤田 栞奈(さわだ かんな)

<中学生の部> ※敬称略
最優秀賞(1点)

四日市市立塩浜中学校3年生
林 陽莉(はやし ひまり)

優秀賞(2点)

三重大学教育学部附属中学校2年生
種村 実紗(たねむら みさ)

鈴鹿市立白子中学校2年生
澤本 夏実(さわもと なつみ)

佳作(5点)

伊賀市立緑ヶ丘中学校2年生
左橋 夢琉(さはし ゆめる)

志摩市立志摩中学校3年生
松本 柚夏(まつもと ゆずか)

セントヨゼフ女子学園中学校2年生
上野 絢愛(うえの あやめ)

三重大学教育学部附属中学校2年生
服部 日葵(はっとり ひまり)

名張市立名張中学校1年生
森田 翔軌(もりた しょうき)

以上、入賞者のみなさま、おめでとうございます。
表彰式は津市のメッセウイング・みえで開催される「みえ環境フェア2025」で表彰式を行います。

「三重県地球温暖化防止啓発ポスターコンクール」表彰式
日時:令和7年12月14日(日)10:05~10:30

〈入賞作品の展示予定〉

みえ環境フェア2025 メッセウイングNHW 津市北河路町19番地1

令和71214日(日)10:0015:00

三重県環境学習情報センター 四日市市桜町3684-11 休館:月・土曜日、12月29日~1月3日

令和7年1218日(木)から令和8年1月7日(水)まで

MieMu 三重県総合博物館 津市一身田上津部田3060 休館:毎週月曜 ※月曜日が祝日の場合は火曜日

令和8年1月10日(土)から1月29日(木)まで

津松菱百貨店 津市東丸之内4-10

令和8年1月31日(土)から2月15日(日)まで

三重県立熊野古道センター 尾鷲市向井12-4

令和8年2月21日(土)から3月4日(水)まで

三重県上野森林公園 伊賀市下友生1番地 

令和8年3月11日(水)から3月23日(月)まで

※各施設の休館日は除きます。展示予定は変更になる場合がありますので、三重県環境学習情報センターのホームページ等でご確認ください。

★審査員(三重県立美術館学芸員)講評

地球温暖化防止を願うたくさんのポスターを拝見しました。未来を担う子供たちの眼差しと想像力から生まれたこれらの作品は、地球環境への責任を問いかける力を持っています。多くの応募作品から受賞作品を選ぶにあたり、①地球環境について深く考えた跡が見られる「ユニークな視点」、②見る者に訴えかける「ポスターとしてのインパクト」、③心に響く「メッセージ性」、④丁寧な描写に込められた「応募者の想い」に注目しました。

小学生の部

最優秀賞は、上半分に燃え盛るような太陽と空、下半分に地中で苦しむ「命」が描かれています。「命のタイマーあと少し!」というキャッチコピーと、残り時間の少ない時計のイラストは、「手遅れになる前に行動が必要だ」というメッセージを明確に伝えています。特に良い点は、色の使い方です。赤やオレンジ色の背景は、地球温暖化に伴う「熱」や「異常気象」を想像させます。一方、苦しむ野菜の葉の色は、野菜ごとに異なる緑色が使われています。単に危機感をあおるだけでなく、自然に対する細やかな眼差しが感じられます。

優秀賞の1つ「もう立っていられません」は、ユニークな作品です。地球温暖化といえば、太陽、あるいはホッキョクグマやペンギンなど、遠くの星や遠い外国の生き物がよく描かれますが、身近な題材であるお地蔵さんをテーマにした作品は珍しい。お地蔵さんは擬人化されており、辛そうな様子が表現されています。灰色をベタ塗りせず、お地蔵さんの石の質感を捉えている点も良いです。特に良い点は、太陽の表現です。太陽の色といえば、赤やオレンジ色がよく使われますが、ここでは白っぽい黄色が使われています。また、太陽には輪郭線がありません。このため、「直射日光」ともいえる太陽の光がリアルに描かれていると感じました。

2つ目の優秀賞は、魚眼レンズを通して見たような構図で海を描いています。魚の視点から太陽や子供たちの遊び場を見ているとも解釈できるかもしれません。海と空は、ともに青色ですが、海と空で青色の濃さ・薄さを変化させることで、その境界線が滑らかによく描けています。太陽と海と空という、よくあるテーマながらも、ユニークな視点から、海で遊ぶ子供たちの様子を丁寧に描いており、きらりと光る個性のある作品です。

 

中学生の部

 最優秀賞の「海面上昇 日本沈没!?」は、強い言葉を使ったキャッチコピーですが、疑問符「!?」があることで、これは見る者への問いかけだとわかります。「本当にそうなるのか、この未来を変えられるのではないか」という希望が込められていると解釈できます。全体的に青色が多用されており、水没(浸水害)のイメージを強調しつつ、温度計の赤や標識の黄色が、注意喚起の役割を果たしています。配色や色の塗り方は、とても丁寧です。

 優秀賞の1つ「地球、発熱中。あなたはどうする?」は、フライパンで熱せられる地球を描いています。青い地球がフライパンに入れられ、下から炎で熱せられているという描写そのものは、他の応募作品にもありました。地球温暖化の状況を比喩的に表現したものです。特にこの作品は、2つの「かげ」(影、陰)を効果的に使っています。1つ目の「かげ」(影)は、地球の立体感を表現するものです。もう1つの「陰」は、ガソリンスタンドと工場、トラックに用いられている黒いシルエットの表現です。現代社会の便利さの裏側にある環境負荷が表現されています。

 2つの目の優秀賞「HELP ME みんなの力で取り戻そう!」は、余分な要素を排し、シンプルかつ象徴的なデザインと強いメッセージに焦点を当てた作品です。ポスターとして見る者にストレートに伝わるように、工夫されています。簡潔でありながら、時間をかけて丁寧に描かれたことがわかります。

 

 


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