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スキルアップ講座「蝶と蛾にみる生物多様性」を実施しました
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【主催】 三重県環境学習情報センター・三重県みどり共生推進課
【日時】 2025(令和7)年12月20日(土) 10時15分から12時15分
【場所】 三重県総合博物館 3階 レクチャールーム(津市)
【講師】 小長谷 達郎 氏(奈良教育大学 准教授)
【参加人数】 35人
【担当】 環境学習推進員 東、木村、磯部
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蝶や蛾は同じ鱗翅目に属し、美しい翅の形や模様から、古くから芸術や衣服のデザインとして親しまれてきました。鱗翅目昆虫は生活史や生息環境がよく研究されているため、生物多様性を測る指標としても重要です。特定の種類が見られることで、その場所の環境を推測できる点が大きな特徴です。

講義では、生物多様性が「種」「生態系」「遺伝子」の3つのレベルから成り立つこと、さらに地域内の多様性(α多様性)だけでなく、地域間の違い(β多様性)を考えることの重要性を示されました。外来種が侵入すると、一見その地域の種数は減らないように見えても、地域ごとの違いが失われ、結果として生物多様性が低下してしまいます。

絶滅危惧種の保全では、生息地での保護だけでは不充分な場合があり、飼育による保全や遺伝子多様性を守るための工夫が必要です。小笠原諸島のオガサワラシジミは外来生物の影響で激減し、現在は野外個体の生息が確認できていません。生息域外保全としての飼育個体もいましたが、近親交配によって遺伝子の多様性が失われ、産卵された卵はほとんど孵化できず、全滅してしまいました。このような事態を避けるため、絶滅危惧種の保全のバックアップとして、卵や精子の凍結保存といった方法の重要性が紹介されました。

私たちの生活は、生物多様性が支える生態系サービスによって成り立っています。どれか一つの種が失われることは、遠からず私たちの暮らしにも影響を及ぼします。だからこそ、生物多様性を大切にする社会を築くことが求められているのだと強く感じました。
【報告:東】