三重県環境学習情報センター

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2024.03.03

環境学習地域リーダー養成 スキルアップ講座「きれいで豊かな海」ってどんな海?~○○○するのはアナタカモ~を開催しました。

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【日 時】 2024年2月10日(土) 9451140
【場 所】 三重県総合文化センター 中研修室(津市)
【講 師】 小林 紀有起 氏(三重県環境生活部 大気水環境課)
【参加人数】 37
【担 当】 環境学習推進員  坂崎、大山
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 近年、伊勢湾では魚介類が減少し、色落ちした海苔が増えています。海の生物が生活をするために必要な窒素・りんといった栄養塩を減らしすぎたことや、藻場・干潟などの生き物の生活の場が減少したことなどが原因と考えられています。一方で栄養塩を増やしすぎると、赤潮の発生を招くことになってしまいます。
 また水中に解けている酸素の濃度が低下し、水中にいる生物の呼吸に必要な酸素が、十分にない状態の水の塊である「貧酸素水塊」も近年大きくなっていると言われています。

 三重県では、こうした伊勢湾の現状と今後の課題である藻場・干潟・生物生息環境の改善などをあげた「第9次水質総量削減計画」が令和4年10月に発表されました。
 そのパンプレットをもとに、栄養塩類の管理と生物生息場の保全再生を両輪で進めていくよう、バランスの取れた「きれいで豊かな海」の実現に向けた取組についてお話しいただきました。

 質疑応答では、藻場の再生は、藻を植えればいいだけという訳にはいかず、実際には難しいのでは?といった質問や、伊勢湾では三重県に海ごみが集まってくる問題について言及がありました。
 また、地球温暖化対策のひとつとして、海藻など海の生物の作用でCO2吸収源となるブルーカーボンの紹介などもしてくださいました。

 講座の締めくくりとして、第10次「水質総量削減計画」に向けて、検討を重ねていきたいと話されました。今回の講座が、今後へとつながる機会となったことを願います。

【報告:大山】 

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