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スキルアップ講座「沸騰する地球で異常気象が日本狙い撃ち!なぜ?日本の四季が二季に」報告
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【日時】令和7年9月27日(土) 9:45~11:40
【場所】サン・ワーク津 大会議室
【講師】立花 義裕 氏(三重大学大学院生物資源学研究科 教授)
【参加人数】91人
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まず初めに立花先生は、なぜ今年の夏が暑かったのか?の理由として、3つの高気圧(太平洋高気圧・チベット高気圧・南北傾斜高気圧)が重なっていたことに加え、海面水温が高かったことを説明されました。世界地図で、日本付近が特に暑かったことを示され、その理由として偏西風の蛇行について詳しく述べられました。
世界中で1番温暖化が進んでいるのは北極であり、通常、白い雪や氷に覆われた状態であれば太陽光が反射して寒い状態が続くのですが、少し溶けるとそこが熱くなり、連鎖反応的に溶けていくことを説明されました。そして北極と赤道の間の南北で温度差が小さくなるほど、偏西風はフラフラと蛇行するのです。

冬には、海面水温が高いと海から出る水蒸気が原因となり雪がたくさん降る「ドカ雪」や、夏には猛暑と豪雨といった「二季」になっていくと立花先生は言います。
こうした猛暑・豪雨・豪雪は、その一因が地球温暖化にあり、「人災」であると立花先生は話します。
さらに平均気温が100年前と比べて1.5℃から2℃高くなると、「ティッピングポイント」と呼ばれる臨界点を超え、もう元に戻らない段階に踏み入れてしまう危険性も訴えられました。アイスクリームが溶けた後、元に戻らないのと同じだそうです。また、近年の米の不作も地球温暖化が原因と言えます。

こうした状況に対し、気候危機と異常気象は仕方のないものと諦めるのではなく、理解する人を増やすため、高校で地学をもっと実施するべきと立花先生は話します。地球のために我慢をするのではなく、おもしろく、得することで気候危機を乗り切っていきましょう、と立花先生は締めくくりました。
私たちも日頃の生活で地球温暖化はどのようにして起こっているのか、その原因や対策を考え、行動を起こしていきたいですね。
【報告:大山】