三重県環境学習情報センター

「今月の企画展示」 アルバム2009

3月 「三重県環境森林部 地球温暖化対策室」
 「地球温暖化」が叫ばれて20年近くになりますが、近年、特に異常気象が目立つようになりました。その原因が、直接「温暖化」と結びつけるには難しいところもありますが、温度が上昇することによって海水面が上がったり、人類や生態系そのものに大きな脅威となっていることは事実です。パネルで「氷山・氷河」「海面上昇」「サンゴ礁」の様子などを展示しています。地球からのSOSを本気で受け止めることができるか、どうかのタイムリミットがきているように思います。PCでは「今、私たちにできること」と題したことをDVDで流しています。展示を見て、改めて「自分にできること」の発見の機会にしていただければ・・と思います。
また、企画展示にリンクして、展示ホールでは「平成21年度三重県地球温暖化防止啓発ポスターコンクール」の入賞作品も展示していただきました。
合わせて、当センターが12月から募集した「かんきょう川柳」の入賞者の発表もさせていただいています。応募いただいた全作品もご覧いただけます。
2月 「中部電力株式会社 三重支店」
 私たちが当たり前のように使っている電気を発電するには、エネルギーが必要です。現在、使用している化石燃料(石油・石炭・天然ガス)には限りがあります。これに替わる「太陽光発電」「風力発電」「地熱発電」「バイオマス発電」等の新エネルギーの普及促進が急がれています。(日本は資源が少なく、海外依存率は96%にもなる)
だからこそ、枯渇する心配がなくほぼ永続的に使える新エネルギーが注目されているのです。また、CO2を排出しないので地球温暖化対策にも有効なのです。そのことをパネルでわかりやすく説明していただきました。
他に、廃棄物リサイクルでつくる肥料を展示していただきましたが、「貝殻粉砕肥料」は発電するときに冷やす海水を取り込む時、一緒に入ってくる貝を肥料にしたものです。栄養化が高くいい肥料になるようです。地球から生まれるものに無駄なものはないですね。
中部電力のHPはこちらhttp://www.chuden.co.jp/
1月 「株式会社東芝 セミコンダクター社 四日市工場」
 東芝セミコンダクター社は、メモリ製品の開発・製造をしている会社です。
今回2回目の展示ですが、前回の環境活動を中心としたパネル展示に加え「環境のことを考えられる人材育成」や「小・中学校への出前環境授業」などの取組模様をDVDで流していただきました。
社会貢献活動も盛んで「みどりの募金活動」は環境保全のための緑化や森林整備に充てられ、「エコ・キャップ運動」は再資源事業者に売却、その収益はアジア発展途上国に送られています。こういった地道な活動が「かけがえのない地球」を守っていくことになるんですね。
(株)東芝 セミコンダクター社のHPはこちら
http://toshiba-yokkaichi.jp/
12月 「四日市ウミガメ保存会(愛称ウェルカメよっかいち)」
 「四日市ウミガメ保存会」は、H20年12月に設立され、毎月第1日曜に四日市市の吉崎海岸で清掃活動を実施しています。吉崎海岸は2003年ぐらいまでは、ウミガメが産卵に訪れていた海岸です。ハマヒルガオが咲き、野鳥が生息する自然豊かな砂浜海岸ですが、2009年もウミガメの産卵は確認されていません。
清掃活動の参加者も初めのうちは少なかったのが、今は100人を超えるときもあるそうです。人を集め、人を動かすことは大変なことです。それなのに1年間も続け、みんなが同じ目的に思いをひとつにすることは「すごい」ことだと思います。
毎回、砂浜清掃のほかに自然をテーマにした勉強会もあります。ぜひ、参加してみてください。展示ではかわいい亀のグッズもおもしろかったです。
四日市ウミガメ保存会(ウェルカメ四日市)ブログはこちら http://ameblo.jp/kame-kame/
11月 「東邦ガス株式会社 西部支社」
 今、エネルギーのことを考えるとき、環境問題を抜きにしては話が進みません。それに加えて、私たち消費者にとっては支出をできるだけ抑えたい・・という点からも大きな関心事です。
そもそも天然ガスはそのまま燃やしても、石炭やプロパンガスよりエネルギー効率や二酸化炭素の削減率が高いのですが、天然ガスから取り出した水素を使って「燃料電池」として発電することもできます。
「燃料電池」は水素と空気中の酸素を反応させて電気を生み出す技術です。東邦ガスの「家庭用燃料電池」は都市ガス(天然ガス)から水素を取り出して発電します。そして、発電するときに発生する熱を利用して水をお湯にします。・・・というわけでその分電気料金が安くなるというわけです。エネルギー技術は日々、進化していますね。節エネルギーですぐ思い当たるのは節電・節水・・・ですが、ガスもできるのですね。わかりやすく展示していただきました。
詳しくは東邦ガスHPへどうぞ
http://www.tohogas.co.jp/
10月 「三重県林業研究所」
 「キノコの役割」「キノコの栽培方法」をわかりやすくパネルで展示していただきました。キノコは「カビ」や「酵母」の仲間で「菌類」に属します。「木材腐朽菌」「菌根菌」「糞生菌」などがありますが、食卓でおなじみのブナシメジやシイタケは、枯れ木や落ち葉などを分解することで、養分をとって成長する「木材腐朽菌」です。
いずれにしても森林の中が枯れ木や落ち葉などでいっぱいにならず、腐った臭いもしないのは、キノコや微生物が分解してくれるからなのです。また、菌根菌は養分をもらうばかりじゃなく、土の中の病原菌から樹木を守ったり、水のミネラルを木が吸収しやすくする働きもあります。自然の力ってすごいですね。展示では「キノコ」を実際に顕微鏡で見ていただくコーナーも作りました。
三重県林業研究所のHPはこちら
http://www.mpstpc.pref.mie.jp/RIN/index.htm
9月 「第4管区海上保安本部」
  海は地球の命を育み、私たちの暮らしを支えてくれています。また、海水浴・釣り・マリンスポーツなどみんなが楽しく遊べる場所でもあります。そんな海を私たちは本当に大切にしているでしょうか?
実際に海に漂着したゴミの展示をしていただきましたが、危険な注射器などが棄てられている現状をみると人間のエゴを感じずにはいられません。また、生活用水として、1日一人平均322リットルの水を使っていますが、それが生活排水となって海を汚す原因の62%にもなっています。生活排水は栄養分が多いので海の生き物にとっては必要なものですが、多すぎると赤潮の発生原因になって、結局海を汚します。このどちらも私たち人間が関係しています。
まずは、私たちにできることを考え、一人ひとりが行動すれば、きっときれいな海は残せます。見た人の胸に響いた展示でした。

「第4管区海上保安本部」ホームページ
8月 「三重県環境森林部  自然環境室 森林環境グループ」
三重県の土地面積の6割が森林ですが、そのまた6割が人口林です。かつて植えたスギやヒノキが育ち、今や森の中は満員電車状態です。だから、間伐をして光を遮る余分な木を伐採する必要があります。森林は「きれいな水」をくれたり、「空気をきれい」にしてくれたり、「土砂災害」から私たちを守ってくれたりします。でも、ひとたび人の手を入れた人工林においては、天然林と違って間伐などの手入れが必要なのです。
展示では森の働きがどれだけ私たちに関係あるのか、わかりやすくパネル等で説明。 また、NPO法人「海虹路(えころ)」代表の池田さんによる「尾鷲ひのきからできるヒノキシート」を使ったアートフラワーや草履・小物などで、いろどりを添えていただきました。
海虹路(えころ)HPへのアクセスはこちら
http://www.ztv.ne.jp/web/tawaraya7/index1.htm
7月 「マックスバリュ中部株式会社」
 リサイクル資源回収活動・植林活動・お店の中の照明・冷凍ケース等の省エネ・などなどいろいろな環境保全活動を展開されています。
ペットボトルキャップの回収キャンペーンは2008年6月から多気店ではじまり、その9月には近くの小学校にも協力を得て広がり、現在88店舗中77店舗が、この企画に参加しています。企画展示中にもボックスを置いていただき来館者のみなさまにもご協力をいただきました。
また、不要のマイバッグを回収し必要な方に松阪市を通じて配布。これこそまさにリユースですね。環境イベントではマイバッグつくり・環境紙芝居や環境クイズなどでエコをアピール!7月18日・19日の「Mieこどもエコフェア」でも出展いただき、企画展示とのダブルで楽しませていただきました。
マックスバリュ中部株式会社のホームページはこちら
http://www.mv-chubu.co.jp/
6月 「鈴鹿富士ゼロックス株式会社」
 「ものづくり」にはどうしてもエネルギーが必要ですが、CO2の削減として、工場壁面の一部にはゴウヤときゅうりを植え、夏の温度上昇を抑えたり、また使用済みの複写機を廃棄物とするのではなく、資源として捉えリユースへ(再利用)。それができないものはリサイクル(もう一度他のものに生まれ変わらせる)業者に引き渡す・・というように「環境にやさしいものつくり」をコンセプトに資源循環型をめざしています。
また、地域との交流も盛んで、毎年出展されている「鈴鹿川流域の環境展」。
今年は、「牛乳パックでエコはがき」を作りました。企画展示では、どんぐりを使った工作も展示していただきました。来館者にも「かわいい!」と好評でした。
鈴鹿富士ゼロックス株式会社のホームページはこちら
http://www.suzukafx.co.jp/index.html
5月 「NPO法人 生ごみリサイクル思考の会」
 「NPO法人生ごみリサイクル思考の会」は平成16年に「ごみゼロ社会の実現と資源循環社会」の構築をめざし立ち上がった団体です。生ごみを資源として捉え、生ごみの堆肥化・普及・啓発はもちろんのこと堆肥技術者の育成にも力を入れています。その活動が認められ「平成20年度 みえ環境活動賞」を受賞されました。
展示では衣装ケースを利用して作られた堆肥・廃油からつくる石鹸などが置かれました。
今年の6月には、東員町に活動拠点となる「エコの館」をオープンさせました。常設フリーマーケットや、環境学習ができるスペースもあるそうです。興味のある方はぜひ行ってみてください。
「生ごみリサイクル思考の会」のホームページはこちら
http://www15.ocn.ne.jp/~toin-rcy/
4月 「バイオブロック工法・カミネッコン」
 「バイオブロック工法」とは、根を守り苗木を育て一人前になるまで、カミネッコン(紙の鉢)を使って苗を育てる方法のことを言います。赤ちゃんのゆりかご的役割です。
北海道大学農学博士の東先生が考案されました。四日市在住の岡本さんが、東先生より指導を受け県内の学校などで植林活動をされています。カミネッコンを使うと苗がつきやすく枯れにくいそうです。苗が一人前になるには4〜5年かかるので、形が崩れないようにすることが大切だそうです。あとは土に還る素材なので環境にもいいのです。
「森が水を生み、水が人を育み、人が森を創る」の言葉が強く印象に残りました。